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nob について

大阪府堺市の病院で働く理学療法士です。骨粗鬆症の予防を目的に日々研鑽しています。どうすれば骨は丈夫になるのか、どうすれば骨折を防ぐことができるのか。一般の方だけでなく医療従事者にも参考になる情報(コツ)を発信したいと思います。 

飲み過ぎ注意!アルコールと骨粗鬆症の関係とは

こんにちは(^ ^)

骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第32談

 

ゴールデンウィークが今日で終わり、皆さんどんな連休を過ごしましたか?

晴れの日が多くて、BBQをした方も多いでしょうね。

私も海鮮BBQをしましたが、そんな時についついやってしまうのが、お酒の飲み過ぎです。

 

これからさらに気温が上がり、ビールが美味しい季節になってきますが、その前にアルコールと骨粗鬆症の関係についてお話をしておきたいと思います。

 

以前、第8談の「骨粗鬆症になりやすい5つの生活習慣」でも触れましたが、過度の飲酒を続けているとどれほど骨粗鬆症の危険性があるのでしょうか。

 

適度な飲酒であれば、百薬の長と言ったりしますが、過度になると蛋白質やカルシウムの吸収を低下させたり、骨のもとになる細胞の働きを抑えたりして、骨密度を減少させてしまいます。

 

蛋白質やカルシウムの役割については、第17談の「骨粗鬆症の予防と治療に必要な4つの栄養素」で簡単に説明していますので、ご参照ください。

 

では、どれくらい飲み続けるとどれくらい危険なのでしょうか?

資料や報告によって1日当たり2単位と3単位に分かれるのですが、今回は骨粗鬆症の予防と治療ガイドラインに掲載されている3単位で話を進めます。

 

1日当たり3単位の量を飲み続けると骨粗鬆症性骨折リスクは1.38倍、大腿骨近位部骨折リスクは1.68倍になるといわれています。

 

では、3単位とはどれくらいなのでしょうか?

350ml缶のビールでは4〜5本です。日本酒では3合、ワインならグラス6杯です。

 

こう見ると結構多い量に感じるので、そこまで飲んでいる人は少ないとは思います。

私も飲んでもビール2〜3本程度です。しかも、今年に入って平日はできるだけ控えるようにしています。

今年で私も37歳、骨粗鬆症も含め体のことを考えるようになってきました。

 

皆さんもお酒の飲み過ぎには注意して、うまく付き合いようにしてみてください。

 

以上、骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第32談 でした(^ ^)

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骨密度を正確に知るための方法とは?

こんにちは(^ ^)

骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第31談

 

今回は、第15談の「骨粗鬆症に対する3つの専門的検査とは」でも触れましたが、

骨密度についてのお話です。

 

骨密度検査は、骨の強さを調べるための代表的な検査です。

骨の中にどれくらいのミネラル(カルシウムなど)が含まれているのかを測定します。結果は、パーセンテージ(%)で表示されます。

それは若年成人を100%とした場合の骨の状態を表しています。

 

あなたは今まで骨密度を測定したことはありますか?

測定したことがある方は、身体のどの部位をどの方法で測定しましたか?

 

測定方法は様々あります。

・超音波を用いて足の踵や手首の骨密度を測定する方法

・エックス線を用いて手指の骨密度を測定する方法

などがあります。

 

でも、今回お伝えしたいのは、最も推奨されている方法のDXA法です。

以下、DXA法について簡単にまとめてみました。

 

1.DXA法とは?

2種類の異なるエネルギーのX線を照射し,骨密度を測定する方法です.線量は胸部X線の1/10程度であり,測定時間は5~10分程度です.

 

2.測定部位は?

腰部と大腿部の測定をします.最も高い精度の骨密度がわかり,他の部位の骨折リスクも評価することができます.

 

3.結果の見方は?

若年成人を100%とした場合

80%以上 : 正常

70〜79% : 骨量減少

69%以下 : 骨粗鬆症の危険性

 

4.定期的な検査が必要か?

骨密度の定期的な検査は,治療効果の確認と治療の継続に最も有効であると考えられています.半年〜1年ごとに検査を受けることが推奨されています。

 

いかがでしたか?

正確な骨密度検査の継続は、骨粗鬆症に対する治療効果の確認を医療者側と患者側の双方が感じることができます.

ガイドラインでは、65歳以上の女性、危険因子を有する65歳未満の閉経後から周閉経期の女性においては、骨折リスク評価のための骨密度検査は有効であるとされています。

男性でも70歳以上であれば検査を受ける必要があり、70歳未満でも危険因子があれば検査は有効です。

ぜひ、これを機会に自分の骨密度を一度知っておきましょう!

 

以上、骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第31談 でした(^ ^)

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骨粗鬆症マネージャーを目指す方へ

こんにちは(^ ^)

 

先日のwebセミナーで骨粗鬆症マネージャーが全国で2000人を超えたとの話を聞きました。

すでに過去3回の試験が実施されており、先月は第10回の骨粗鬆症マネージャーレクチャーコースが開催されたそうです。

 

レクチャーコースは骨粗鬆症マネージャー認定試験を受験するための必須の研修会です(そのほかにも受験資格はありますので、詳細はこちら

次回のレクチャーコースは10月22日の第19回日本骨粗鬆症学会の会期中に開催される予定で、参加申し込みは7月中旬に開始されるそうです。

 

申し込み開始から比較的すぐに定員を満たすほど人気のレクチャーコースなので、骨粗鬆症マネージャーを目指す方で、まだ受講していない方は要注意ですよ。

ちなみに、第4回の試験は11月23日に明治大学で行われます。

 

年々増えている骨粗鬆症マネージャーですが、増えるだけで満足せず、マネージャー同士が交流できるような取り組みが必要です。

 

先日、小生も回答しましたが、骨粗鬆症マネージャーを対象としたアンケート調査の結果を閲覧しました。

「マネージャーになって新しく始めた事業はありますか?」の問いに対して最も多かった回答は「特になし」でした。

残念な結果です。

 

その原因として、何をしたらいいのかわからない、他のマネージャーがどのような活動をしているのかわからない、他のマネージャーや他の施設との交流がない、があります。

同感です。

 

骨粗鬆症マネージャー同士で交流を図ることができる方法を考えていきたいものです。

骨粗鬆症マネージャーみんなが臨床の場で活躍し、資格を取得してよかったと思えるようになればいいな(^◇^)

 

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webセミナーに参加してきました

こんにちは(^ ^)

今日は仕事後に、「骨粗鬆症リエゾン Web フォーラム 」に参加してきました。

 

テーマは、

「健康寿命延伸を目指した骨粗鬆症治療戦略」

「地域における骨粗鬆症リエゾンサービスの実際」  でした。

 

講演の一部を引用すると、

骨粗鬆症の治療の短期的目標は「骨折予防」です。

そして、長期的目標は「健康寿命の延伸」です。

 

二次骨折の予防には、骨粗鬆症治療は必須であり、

「骨折の治療は、骨粗鬆症の治療ではない」という言葉は何度聞いても頷けます。

 

また後半は、骨粗鬆症リエゾンサービスで成功されている施設の院内連携や地域連携のモデルを拝聴し、現在小生が計画中である活動の参考になりました。

 

特に、小生と同じ骨粗鬆症マネージャーであり、同じ理学療法士の先生の講演はとてもいい刺激になりました。

 

今夜も有意義な時間を過ごせました。

また、明日から頑張ろっと( ´ ▽ ` )

 

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転倒予防学会に入会しました

こんにちは(^ ^)

 

この度、日本転倒予防学会に入会する決意をし、手続きを完了しました。

骨粗鬆症の最大の合併症は骨折です。

 

脆弱性骨折である大腿骨近位部骨折は95%が転倒によって起こります。

橈骨遠位端骨折も95%、上腕骨近位部骨折も75%が転倒が原因です。

 

骨強度が低くても、転倒しなければ骨折を予防できる可能性があります。

そのため、転倒予防についてもっと研鑽したいと思い入会しました。

 

10月には第4回の学術集会が岩手で開催されるそうです。

小生も骨粗鬆症マネージャーの立場から演題をエントリーしたいと現在計画中です。

 

これから、転倒予防についても知り得た情報をアップしていきますね( ^ω^ )

よろしくお願い致します。

 

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必要とされる喜び

こんにちは(^ ^)

昨年から、ちょこちょこっとセミナーや勉強会、公開講座の講師依頼をいただいております。

来月も勉強会でお話をさせていただきますが、今日も新たな依頼をいただきました。

 

骨粗鬆症マネージャーの役割の一つに骨粗鬆症の検査と治療をよびかける啓蒙活動があり、とても重要なことです。

なので、講師依頼は断る理由がありません。

 

少しでも検査率向上、治療率・治療継続率の向上に寄与できるために尽力したいと思っています。

 

必要とされる喜びを噛み締めて、楽しく準備させていただきます( ^ω^ )

今日から摂取!ビタミンKが多く含まれる食品とは

こんにちは(^ ^)

骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第30談

 

前回は、ビタミンKの摂取に対する簡単なチェックを行いました。

そこで摂取が足りないと判定された方(私もですが。。。)にビタミンKが多く含まれる食品を紹介したいと思います。

 

大きく分類すると、チェックの項目にもありましたが、野菜類と納豆ですね。

野菜類とは、ブロッコリー、小松菜、にら、キャベツなどが該当します。

納豆は、野菜類よりもはるかに多いビタミンKが含まれます。

 

以下の表は、骨粗鬆症の予防と治療のガイドラインより抜粋したものです。

ご参考にしていただき、今日の食生活からビタミンKを意識して取り入れていきましょう。

 

ただし、納豆は好き嫌いがはっきりしますよね。多く含まれているのはわかっていても嫌いなものは嫌いという方はおられるんではないでしょうか?

ちなみに、私は納豆は好きなので、意識して食べるようにしたいと思います。

 

また、ワーファリンなど血液をサラサラにする薬を内服している方は、ビタミンKを多く摂取すると薬の効果が薄れてしまう可能性があるので、かかりつけ医の先生と相談してみてください。

 

以上、骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第30談 でした(^ ^)

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すぐできる!ビタミンK自己チェック

こんにちは(^ ^)

骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第29談

 

前回よりビタミンKを取り上げてお話をしておりますが、今回はみなさんのビタミンKの摂取が十分な量なのか簡単なチェックをしたいと思います。

 

チェックは本当に簡単です。

納豆と野菜の摂取状況を確認するだけでできるんです。

以下の表の通りに点数をつけて見てください。

(骨粗鬆症の予防と治療のガイドラインより抜粋)

 

恥ずかしながら、私は十分な摂取ができていませんでした。

皆さんはいかがでしたか?

 

次回は、ビタミンKが多く含まれる食材についてお伝えできればと思います。

 

以上、骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第29談 でした(^ ^)

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骨に必要な2つのビタミン!ビタミンDともう1つは?

こんにちは(^ ^)

骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第28談

ずっとビタミンDについて述べてまいりましたが、今回からは「ビタミンK」に話題を変えたいと思います。

 

ビタミンKも骨に重要な役割を果たします。

それは、骨形成(詳しくいうと骨基質の合成)に必要だからです。

 

高齢者では血中ビタミンK濃度が低下しますが、その血中ビタミンK濃度は骨密度と正の相関があるといわれています。

よって、ビタミンKの不足は大腿骨近位部骨折をはじめとした骨粗鬆症性骨折の危険因子の一つとなります。

 

“ビタミン”といわれると、ビタミンCやビタミンBをよく耳にしますが、骨にはビタミンDとKが重要です。

次回以降も少しビタミンKについてシリーズ化してお伝えしたいと思います。

 

以上、骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第28談 でした(^ ^)

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クララとビタミンDの意外な関係とは?

こんにちは(^ ^)

骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第27談

 

ビタミンDシリーズが続いておりますが、今日は「アルプスの少女ハイジ」に登場するクララとビタミンDの意外な関係についてお話をします。

 

「アルプスの少女ハイジ」は皆さん、ご存知ですよね・・・?

 

フランクフルトからハイジがいる山小屋へやってきたクララは、足が不自由で車椅子の状態でした。もちろん歩くことだけでなく、立つこともできない状態でした。

それは、クララがある病気にかかっていたからです。

 

それは「くる病」です。

 

「くる病(骨軟化症)」成長期に骨のカルシウムが作られず、骨が変形したり、柔らかくなったり、骨折しやすくなる骨の病気です。原因としては、骨の成長に必要なカルシウムやビタミンDの不足が考えられます。

 

当時のフランクフルトは工業が盛んで、大気汚染が社会問題となっており、スモッグの影響で日光が十分当たらなかったと言われています。

そのため、クララはビタミンDが欠乏し、歩けなくなった可能性があります。

 

しかし、アルプスという自然豊かな環境にうつることで十分に日光を浴びて歩けるようになりました。

 

くる病は減少傾向にありますが、幼児期に十分な栄養が摂取できていないと起こりうる病気です。

よって、ビタミンDの補充は子供の成長の面でも重要な栄養素であります。

 

以上、骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第27談 でした(^ ^)

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