こんにちはo(`ω´ )o
骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第12談
昨年末から、シリーズでお伝えしている”かんたん骨粗鬆症チェック”の続きを
年をまたいでやっていきたいと思います。
その1の「壁に頭がつくか」、その2の「肋骨と骨盤の距離」に続いて、
今回は、その3「身長の低下と骨粗鬆症の関係」についてお伝えしたいと思います。
背が低くなると、骨粗鬆症の危険性があるのか?
背が低くなっていると、椎体骨折を起こしているのか?
報告はいくつかあります。
以下の表は、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年」に掲載されているものを引用しています。
既存骨折のない75歳以上の女性を対象とした報告では、 3cm以上の身長低下と低骨密度の関係性はなかった(Dargent-Molina et al. Osteoporos Int 2000; 11: 881-8)としていますが、ほとんどの報告で関係性があるといわれています。
じゃあ、何センチ背が低くなると、どれくらい危険なのかってことになりますね。
それは報告によってバラバラのようです。
例えば、
閉経後3年の身長低下が2cmあると、椎体骨折のリスクは13.5倍、4cm以上になると20.6倍になるという報告があります(Siminoski K, et al. Osteoporos Int 2005; 16: 403-10)
その他には、25歳の時からの身長の低下が4cm以上では、椎体骨折の危険性が2.8倍というものもあります(Vogt TM, et al. Mayo Clin Proc 2000; 75: 888-96)
「背なんて、年をとったらみんな小さくなるやん!」
って思う人は多いんじゃないでしょうか?
そうです。それは何も間違っていません。
年をとると、背が低くなりやすくなります。
それが、骨粗鬆症なんです!
年をとると背が低くなってくるのは仕方がないこと(老化)で済ませてはいけません。
× 加齢→背が低くなる
○ 加齢→骨粗鬆症→背が低くなる
椎体骨折は、様々な内科的な問題を引き起こす可能性もありますし、次の骨折を招く恐れが大いにあります。
背が低くなってきたと感じる方、または身近の方で背が低くなったと思われる方がおられたら、ぜひ骨粗鬆症検診を勧めてください。
でも、自分の背が低くなったと気づく方は少ないようです。
こんな興味深いものもあります。
60歳以上の閉経後女性を対象とした研究で、自己申告した身長と実際に測定した身長に4.5cmもの差があったとのことです。
また、その差が3cm以上もある方は、既存椎体骨折の危険性が1.49倍であったそうです(Briot K, et al. CMAJ 2010; 182: 558-62. )
“身長低下と骨粗鬆症“
ぜひ覚えておいてください。
このように、今年も骨粗鬆症マネージャーとしての役割を果たすべく、活発に更新していきます。
次回は、“かんたん骨粗鬆症チェック”シリーズ その4です。
以上、骨粗鬆症マネージャーが教える!骨折予防に必要なこと 第12談 でした(^ ^)